一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~

仕事が終わり、約束通り社長の家へ向かった。

電車を乗り継ぎ、駅から歩いて15分。
スマホのマップに表示されている道順通りに進んでいく。

マンションに着いたはいいけど、オートロックなのかな、それともコンシェルジュがいるんだっけ?
と途方に暮れた。
昨日は石田さんに付いて、駐車場からエレベーターで直接最上階に向かったから
エントランスからの入り方を知らなかった。

一応今日は、ジーンズはやめて紺のワンピースとパンプスを履いてきたが(何年か前に自分で買ったもの。)
このマンションへ近づくのは、それでも敷居が高すぎる。

社長に連絡しようか、でも忙しいよね・・・
とまごまごしていると、エントランスの入口からこちらへ向かってくる人影が見えた。

すらりとパンツスーツを着こなしている女性、石田さんだった。

「紗良さん、いらっしゃい。
こちらへどうぞ。」

「あ、はい。ありがとうございます。」

私が戸惑うことを予期して、迎えに来てくれたのかな。
とても有り難い反面、すこし恥ずかしい。