一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~

次の日出勤した私を出迎えたのは、
優しそうな笑顔の店長と、目をキラキラさせた設楽さんだった。

2人とも、話を聞きたくてうずうずしているのが丸分かりだ。

「佐々木さん、はいこれお土産!
そして、どうなのどうなの社長さんとは?」

レーズンとクリームが挟まった、北海道の有名なクッキーを差し出しながら設楽さんが尋ねてくる。
隠そうともしないのね、北海道へ旅行に行っていたことは。

「どうもこうもありませんっ。」

バックルームに2人を残し、店舗に出る。
どうなの?なんて聞かれても、自分でも分からないのに。

書棚を廻り、在庫のチェックと本の並べ替え。
休み明けに、書棚の空白を見つけると嬉しくなる。
買ってくれた人がいるんだなぁって。

一通り見回ってからバックルームに戻ると、そこにいるのは店長だけだった。
お疲れ様です、と声をかける。
バックルームに入る時のマナーみたいなもので、特に意味があるものではない。

「あ、佐々木さんか。
お疲れー。」

店長の、いつもの穏やかな声で返事が返ってくる。
私は在庫管理のためにパソコンへ向かったのだけれど、
視線を感じて振り返ると、店長がこちらをにこにこと見つめていた。

「あの、店長、何か?」

「佐々木さん、幸せそうだな~って思ってね。」