一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~

寝室の入り口に、石田さんが立っていた。

ため息をついて、社長がベッドから降りる。

「まだいたんだったな。」
そう呟いて、寝室から出て行ってしまう。

女に手を出そうとしたところを秘書に見られるなんて、ばつが悪いのだろうか。

私が身を起こすと、その横に石田さんが腰かけた。

「紗良さん、やっぱりお疲れでしょう?
何度か起こそうとしたんだけど、良く寝てらっしゃったから。」

顔から火が出そうだ。

「あの、すみません・・・。
今何時ですか?」
「もうすぐ日付が変わる頃かしら。」

2時間以上寝てたってことか・・・・。

「すみません。ご迷惑をおかけしてしまいました。」

「いいのよ。」

石田さんと一緒に寝室を出て、リビングへ向かった。

社長はソファーに座りタブレットを見ていたが、私たちの足音で視線をこちらに向けた。

「紗良、食事はどうする?」
「えっと・・・遠慮しておきます。」

中途半端に寝たためか、すこし頭痛がする。

「そうか。石田さん、何かある?」

それを聞いた石田さんは素早くキッチンに向かい、冷蔵庫を開ける。

「パスタならすぐできます。」
「あぁ、頼む。」

石田さんはエプロンを付け、手早く調理に取り掛かっていた。