一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~

「良かったら、これからうちにいらっしゃらない?」

「は、はい、、、。」

尾行なんてしていた疚しさと恥ずかしさで、石川さんには逆らうことができない。

来た道を戻り、電車に乗る。
尾行なんてされてたんだから、怒っても良さそうなのに
いつものように落ち着いている。

「こうして2人で電車に乗るなんてなんだか不思議ね?」
なんて笑顔を向けられる。

石川さんのお家といえば、もちろん社長のマンションなわけで、
意地を張って出てきたのがつい昨日のことなのに
気恥ずかしい。

いつものエレベーターに乗るが、降りるのはいつもの一つ下の3階。

このフロアにはあるのは4部屋。
同じ面積のはずなのに、この上の階は全部社長の家かと思うと本当に圧倒される。

「ごゆっくりなさっててね。」

リビングに通され、ソファーへ案内される。

石川さんはコーヒーを用意してくれていた。

「紗良さん、良かったら、これを食べるの手伝ってくださらない?」

そう言って石川さんがテーブルに運んできたのは、綺麗にデコレーションされた
バースデーケーキだった。