「やった有里と同じクラス!」

「あー! 最悪! 今年も一緒のクラスになれなかったー!」

私、相川由美(あいかわゆみ)は担当クラスの教室の中に立っている。
外からは鬱陶しいくらいの騒ぎ声が聞こえてくる。クラス替えだから仕方ないといえば仕方ないが。

「失礼しまーす……お、相川先生だ」

暫く待っていると、一人の生徒が教室に入ってきた。
コイツは……荒木美奈(あらきみな)、だったか。
去年はクラスが違ったが、うるさいヤツだと言うことは聞いている。

「おはよう。席に着いてくれ」

私は荒木を見て、そう言う。
荒木は「はーい」と言いながら、私の指示に従った。
噂通りうるさそうなヤツではあるが、素直な所は印象が良い。

「おはようございまーす」

「おっ相川先生かー」

そろそろ生徒全員が名簿を見終えた頃なのだろう。
続々と生徒達がやってくる。
今年の生徒達は、全体的に活発そうだ。
まあ、TPOを弁えていれば賑やかな事も悪くは無いがな。

「じゃあ、全員揃ったな」

不登校除く生徒達が全員教室に入ったのを確認して、私はそう言った。

「皆知ってると思うが、私は相川由美だ。一年間、よろしく」

「よろしくお願いしまーす」

そして、軽く自己紹介をした。
生徒達も返事を返してくれるし、スタートは悪くないだろう。

「じゃあ、明日の予定を確認する」

そして、本格的な授業が始まる明日からの予定を確認させる。

「―――――ということだ。分かったか?」

「はーい」

「じゃあ、今日は解散だ。気をつけて帰れよ」

連絡事項を伝え、今日は解散させる事にした。

これから、このクラスがどうなって行くのかが楽しみだ。