…ぎゅうっ



あの人は力強く私を抱きしめた。



身長差が結構あるから、

私の顔はあの人の胸に埋めるかたちになっている。



そこから聞こえる鼓動は、とても早くて。



ドキドキしてたのは、私だけじゃなかったんだ。

そう思うと嬉しくて、ついつい口角が上がる。

あの人に見られてなくてよかった。