゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚


キス……
…しちゃった。


ウソ……
なんで?

だって、
だって、あんな急に……

ちがう、
ちがうっ。

急とかじゃなくて。


キス、
されるなんて思ってなかったから…

あんな、

オトナのキス。


かぁぁああっ……


思い出しただけで、体中の血液が頭に集まってきたみたい。

顔が熱くって、ボーっとする。

心臓の音が、耳の奥でザアザアうるさくって、おかしくなりそう。



「も、やだぁ……」


どんな顔して、会ったらいいのかわかんない。

机に突っ伏したまま、

チラリ……

腕の隙間からのぞき見ると、

ちょうど黒板に、なにやら難しい生物学の呪文を書き終えた先生が振り返った。


せ…んせ……

…先生…?


――なんで、大河じゃないの?

――大河…は?…どこ?


白衣姿の先生はこっちを見ない。


ねえ、先生……

どおして、わたしにキスしたの?

どおして?


――大河……


どおして、私にキスしたの?


“好きだよ、梨佳”


そっか、そうだった。


――好き…大河……


…好き……先生……


返事はまだ、
出来ないでいる。


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚