翌日、学校へと行くと、また一人で自分の席に座って本を読んでいる橘を見つけた。

「おはー。」

後ろから来た友達に挨拶を返しながら、自分の席に座る。

「で？」

「は？」

自分の席に座ると、友達が荷物を置いてそう言いながら目の前の席に座る。

「橘のことが好きじゃないのは分かった。」

「あぁ。」

「じゃ、なんでお前そんなに橘を見る顔が切なそうなんだよ。」

そう言う友達の顔を驚いた顔で見ると、友達は呆れた顔で三浦を見ていた。
「俺をなめんなよ？」そう言ってニヤっと笑う。

「・・・いやさ、そんなんで橘が幸せなわけねーじゃん。
どうせ付き合うなら、こう・・・もっと普通に付き合いたいって思わねーのかって思ってたら・・・。」

「なるほどなー・・・俺も一時期そう思ってだけどさ・・・。」

そう言う友達は遠くの景色を見ている。

「けど？」

そう聞いた三浦に対し、

「・・・・今も付き合ってるってことは、本人はそれでいいんじゃねーかって思ってさ、関わらないこと決めたんだ。」

そう言う。
そんな友達の表情は、どこか憂いを帯びていた。