「よし、じゃあ初花ちゃんも病室戻ろう」


初花ちゃんを背に、散らばったおもちゃを片付けながら声をかける

反応が無いので振り返ってみると、壁に寄りかかったまま目を瞑っていた



「初花ちゃん?」


ただ眠くて目を瞑っているようには見えなかったため、そっと額に手を置いた



「あつ……」


熱ぶり返したか



「初花ちゃん、初花ちゃーん」


優しく何回か方を叩くと、ゆっくりと目を開けた



「大丈夫?ちょっと具合悪いね、痛いところある?」


「……やだ…」


「ん?」


「おこらないで……」



今にも泣き出しそうな目をしながら小さく囁く


「怒ってないよ?どうした?」


「……あ…ごめ、なさ」


「大丈夫?」


意識が朦朧としているせいか自分でも何を言ってるのかよく分かっていないみたい



「ごめんね、病室まで運んじゃうね」


首裏と膝裏に手を回して抱き上げると、スっとまた目を瞑った