少し時間が経った頃、とぼとぼと歩くはるくんの姿が目に映った 明らかに落ち込んでるその様子に声をかけずにはいられなかった 「はるくん、ここで何してるの?」 ゆっくり顔を上げたはるくんの目にはうっすら涙が浮かんでいる 「……なんもない」 「ゆうくんと仲直りできなかった?」 ううんと首を振る 「お姉ちゃん、絵本読んで」 今にも泣き出しそうな震える声でそう言ったはるくんに、私は思わず頷いた 絵本があるのはプレイルームだけど…少しだけなら大丈夫だよね。