次の日の朝
いつも通りの時間に蒼介先生と早苗さんは回診に来た
「おはよう初花ちゃん」
「おはようございます」
「どう?調子は」
「だいぶ楽になった気がします」
「たしかに顔色も良くなってきたね。少し胸の音聞かせてね」
服の裾を少しだけ浮かせると、そこから聴診器がするりと入ってくる
「ゆっくり深呼吸してね」
と、先生に言われたとおりにする
数十秒すると聴診器は抜かれて「いいよ」と先生が笑いかけてくれる
「音も綺麗になってきた。よかった」
この調子だとあと三日もすれば退院かな~と話す先生
退院かぁ…
退院が憂鬱な患者って、私の他にいるのかな。
