夜11時


いつもは帰ってくる時間なのに、まだお母さんは帰ってきていない


でもまあ、よくあること。




私が眠りについて3時間くらい経った夜中の2時に、お母さんは帰ってきた




「初花ー、ちょっと出てー」


酔っ払ったお母さんの声と、その後に聞こえる知らない男の人の声



「邪魔だから、どいてって言ってるの」



にこやかにそう言うお母さんに、私も微笑んで頷く



「はい、お母さん」




傷がバレないように大きめのパーカーを着て、マスクをつけて、私は家を出た