(そんな、まさか…)

自分の目はおかしくなってしまったのだろうか?

(ミヒロさんが宏美に似てるって…)

宏美を思い続けているあまり、ミヒロに彼を重ねてしまったのだろうか?

心美は頭を振ると、もう1度ミヒロを見つめた。

彼女が歌っているその姿は、今日初めて見たはずだ。

なのに、もう何回も見ているような気がするのは自分の気のせいだろうか?

「――宏美…?」

呟いたその声は、観客たちによってあっと言う間にかき消されてしまった。

当然のことながらメンバーはおろか、ミヒロの耳にも入っていないことだろう。

(宏美なの…?

ミヒロさんは、宏美なの…?)

見れば見るほどに、ミヒロが宏美に見えてきて仕方がない。

自分の気のせいだと信じたくて、心美は逃げるように会場を出て行ったのだった。