頬に何かが伝った。
なにこれ…これが涙って言うのか?
物心ついた時には泣いたことがなかった。
胸が苦しくなる。
「お前の事大好き。知ってるよ?1日にタバコ吸う数減らしてるんだろ?灰皿のタバコ減ってきてる。」
「え?」
「なんだかんだ言って、話聞いてんじゃん。そうゆう純粋なとこも好き。」
確かにタバコの本数が減った。
拓也が言ったことは、守りたかった。
「な?今は俺の事好きじゃなくて構わない。でも隣にいさせて?守らせて?幸せにさせてあげたい。」
涙がポロポロと溢れ出てくる。
「本当は、おめぇーの事…好き。」
私を拾ってくれたこと、心配してくれたこと。
とても嬉しかった。
好きって想いを伝えたかった。
でも不安で言えなかった。
「はは、泣くなんてだせぇーよな笑ごめんな?おめぇーの事また困らせちまった。」
するとさっきよりも強く抱きしめてきた。
「思う存分泣けばいい。いつでも泣けばいい。好きなだけ泣け。その分俺がお前を幸せにしてやる。」
「うぅ…。」
その日は拓也の腕の中でずっと泣いてた。