ゼブラ







私はサクラ。
春に咲くサクラと同じ名前のしまうま。

少し上を向けば嬉しそうに笑う子供。
少し下を向けば恐ろしい人の顔。

ママは死んでいた。
もう会えない私のママ。

ゼブラが言っていた悲しみが
少しずつ分かってきた。

ゼブラがもたれていた壁に
私ももたれるようになった。


「貴方の名前はなに?」


悲しい事は続くもの。
喜びは束の間である。

そして、また春が来た。