『翔太!いつか私が迎えに行く時まで元気でいるんだよ!!』

彼女と最後に言葉を交わしたのはもう10年以上も前のことである。


隣の家に住んでいた彼女は父親の転勤でボストンへ引っ越してしまった。

根暗で泣き虫だった俺とは反対に彼女は明るく男勝りな性格で、最後の日も童話などに出てくる王子の様な台詞を吐いて旅立った。


一体彼女は今どこで何をしているのだろうか。