私の異変を察知した爽太が駆け寄ってきた。 「香織!!」 「そう…た……」 私は看護師の手を振り切って爽太に抱きついた。 「爽太!優ちゃんが…優ちゃんが……っ……うぅ……」 泣きじゃくる私を抱きしめながら頭を何度も爽太は撫でてくれた。 「優ちゃんにはもう会えないっ……、優ちゃんはもう笑ってくれない、優ちゃんはもうバイクに乗せてくれない………、優ちゃんは……もう…っ……」 ________いない。