そんな春馬くんに、私もワガママな部分を出してみた。




「もう…おやすみのキスしちゃうの?」



「ん?」




「もっと…一瞬にいたいのに……」




そう呟いて、春馬くんをぎゅっと抱きしめると…




「ナツ、ちょっと待って…」




春馬くんの腰に回した手を、振りほどかれた。





………なんで?



もっと一緒にいたいと思うのは、私だけ?




さっきまで泣いてたからか、涙腺は緩んでいたみたいで、再び涙がこぼれ落ちそうになった。




そんな私を見て、春馬くんが慌てて私を抱きしめた。





「ナツ、勘違い!勘違い!ちょっと待ってって言ったのは、今日遅くなってもいいか、ちゃんと親御さんに連絡してほしいからだよ。」




「……………へ?」





は……





恥ずかしい〜!!!




真っ赤になってるであろう顔を、両手で押さえる。




「俺だって一緒にいたい。だから“忘れ物”なんて言って、ナツのこと呼び戻したんだろぉ〜。」






春馬くんと私、同じキモチだった。





簡単なようで、難しいこと。





だけど、気持ちがピタッと寄り添えば…




こんなにも、愛おしいキモチが溢れ出すんだね。