「ママ…大事な話があるんだけど…」

「妊娠したんでしょ、由依」

「え?!なんでそれ…」

「ママは由依のお母さんだもの。由依が具合悪そうなのも知ってるしトイレのナプキン減ってない。生理きてないんじゃないの?」

ママはすごい。そんなとこまで気づいてたなんて。

「で…たぶん由依なら堕ろすなんてやだとか思ってるんだろうな〜。だから由依なら自分から言ってくるって思ってた」

「ママ…」

「わたし学校やめる…この子育てたい」

「わかってるわよ、でも由依?一つだけ念のため言っとくわね?由依ならわかってると思うけど…飽きたとか大変とか…そう思ってもぽいって捨てることなんてできないのよ?育てるのはとっても大変なの。わかってるわね?」

「うん、わかってる」

それでもわたしは…

「産みたい…」

「お父さんは?理タくん?」

「なんでそれも知ってるの…」

「由依、理タくんと付き合ってるんでしょ?理タくんが由依と付き合い始めた時挨拶に来てくれたわ!ママも理タくんなら大歓迎だからもちろん由依のことお願いしといたわ」

とニコニコして言うママ

理タに言うべきか言わないべきか

理タまで学校やめることになる

それは避けたい…

「ねー、由依。由依の考えてること当ててもいい?」

「え?」

「理タくんに言おうか迷ってる、それは理タくんまで学校やめることになるから。違う?」

…図星ですとも。

「理タくんには話すべきだと思う。その子のお父さんなんだから。理タくんは高校に通えばいいと思うわ?由依がそれを望むなら理タくんは高校を卒業した方が少しでもいい仕事につける。そしたらその子はもっと幸せになれるわ」

ママの言う通りだ

この子はわたしの子である前に理タの子でもある

それを秘密にしとくなんて

宝物を独り占めするようなものだもの

よし、理タにちゃんと話そう