「千賀〜池野〜応用やったか〜?」

「げっ…忘れてた…」

どうやら茉央も忘れてたらしい

「千賀〜こっからここまで黒板に解け」

「は〜い」

うん、簡単だ、簡単すぎる…



「おぉ、さすが千賀、正解だ」

「サービス問題ありがと〜、まえっち」

と嫌味も含めて言ってやる

「つ、次!池野、コレ解け〜!特別に一問だけにしといてやるぞー」

「え〜特別に無しにしてよ〜…」

と完全お手上げ状態の茉央

「ほら、コレ見ろ」

と小声で茉央を助ける隣の席の健人

勉強できないはずの健人が教えてる

きっと理タに前もって聞いといて茉央にいいとこみせよーとか思ってるんだろうな

そしてなにより私の頭の中の糖分はもう少しで無くなる、限界だ〜

だ、誰か〜甘いものをぉぉお〜…

そう広い砂漠でオアシスを求めて彷徨ってる旅人のようにうな垂れていたら

隣の席のアイツ…生意気子犬がチョコレートをこっそりくれた

やるじゃん、理タ!!!

早速それを教科書で隠してこっそり食べる

ん〜甘い!とろける〜♡

と…私の糖分補給完了‼︎

チラッと隣を見るとまるで褒めて褒めて〜!と言わんばかりにしっぽを振っている子犬のように理タがこっちを見てニコニコしていた

不覚にも可愛いと思ってしまう

たまにあるんだ理タが可愛いって思う時

「…もぅ黙ってれば可愛いのに」

小声で言ったはずなのに

絶対聞こえてないはずなのに

「ゆ〜を目の前にして黙ってるなんて死刑と同じくらい無理だよ?」

なんてこれまたあま〜い顔で言ってくる

「こら、千賀〜北野またお前ら喋ってんのか?!俺は1日何回お前らを注意すればいいんだよ〜いい加減静かにしてくれぇ」

ともはやお願いしてくるまえっち

だけど隣の子犬は

「また怒られちゃったね☆」

と反省の色なんてこれっぽっちもない

「理タのせいでしょ‼︎」

「まぁまぁプリンもう1個追加するから!」

う〜。そう言われたら許すしかない…。

こうやって最後はいつも理タの思い通りになるんだ

生意気子犬の理タには私の考えてることなんてなんでもお見通しなんだ