「そもそも、上原には夏帆がいるじゃない!」
………そうだ!
「あんたよく夏帆がいるのに私にキスできたわね!あんたこそ頭おかしいんじゃない!?
本当に好きな人としかキスってするもんじゃないの!
もしかして夏帆にもあんな無理矢理キスして傷つけてるんじゃないでしょうね!?」
だとしたら今すぐ殴ってやるんだから!
「………安心しろよ。
夏帆とは手しかつないでねぇから。
夏帆の前ではヘタレの俺なんで。」
ニヤッと笑う上原。
え……?
夏帆は、上原の正体を知らないの?
それって……
「あんた、夏帆を騙してるの?」
「騙してるって人聞きの悪い。
表の顔の彼女、ただの女除け。
そもそも好きじゃねぇし向こうから好意もたれてるだけだから。」
女、除け……?
上原は、夏帆を好きじゃないの………?



