「……最悪の形でバレたし、めんどくさ。」
上原はそう言って、私から自分の鞄を取った。
まだ、信じられない。
なんかの夢?
だって………
上原1人に対して、10人くらいいた男たちに無傷のまま勝ったんだよ?
「………なぁ、小野田………」
上原がまた私の名前を呼んだ瞬間、今度はさっきと反対側から数台のバイク音が聞こえてきた。
もしかして、また……!?
体がビクッと震わせると
「あれは俺の仲間だから大丈夫。」と言われる。
なか、ま……?
どういうこと?
さっきから状況を理解するので精一杯なのに、また上原が私を混乱させる。