上原はしばらくの間、その遠ざかるバイクを見つめていた後……


こちらを向いた。


冷たい瞳が私をとらえる。


上原は喧嘩をしたというのに息1つ乱れてないし、制服も乱れていない。


もちろん無傷だった。


そんな今の上原には、暗闇が合っていて息をのむくらい綺麗で………



「もう、終わったから安心しろ。」



その声がまた私を怖がらせる。


本当に上原なの?


学校ではバカでずっと騒いでるし、だけど明るくよく笑う………


あの、上原なの……?


今はただただ無表情に私を見つめるだけの上原に戸惑うことしかできない私。