「今日も楽しみだね?」


そう言って色っぽく笑う慎也くんには余裕があって、高校に比べさらに大人びていた。


そんな慎也くんを見てドキッとしてしまう。


「な、なんでそんなこと……!」


いちいち言うかな!
また、顔があつくなると慎也くんに笑われてしまう。


「真菜こそ何考えてたの?
俺旅行楽しみだねって、返しただけなんだけど……」


「絶対嘘だ!」


そんなわけない。
わざと私を照れさせようと仕向けたんだ!


まんまとはまってしまう私も私だけど……。


そんな時
「もしかして夏帆ちゃん?」と、1人の男の人が夏帆に声をかけた。


夏帆の知り合いかな?


少なくとも私は知らない人だった。



「あ!秀司(しゅうじ)くん!」



夏帆はそんな男の人に笑顔を向け、立ち止まったから自然と私たちも止まる。


その後、夏帆は秀司くんと呼んだ人の元へ行き何やら笑顔で話している。


そして私は夏帆から視線をそらし、ふと上原を見てみれば………




不機嫌なオーラ丸出しだった。
明らかに不機嫌で。




思わず笑ってしまいそうになるのをこらえ、今度は慎也くんの方を見ると……


彼もそんな上原を見た後で私の方を見た。