ーー外に出て、少し離れたところにバイクが2台並んでいて。
須藤くんはそこで待っていた。
私たちを見るなり、笑顔をみせる。
きっと須藤くんは間違って思っているだろうなって。
「………じゃあ俺は帰るな。」
上原はそう言って私から離れ、バイクに乗る。
これで、終わり。
今度は“いつも通り”じゃなく、お互い前に進んだ状態で。
「うん、またね。
今日は本当にありがとう。」
「ああ。
てことで慎也、“真菜”をよろしくな。」
なっ………!
目を見開く私を見て、上原は最後意地悪そうに笑った後バイクを走らせ帰っていった。
上原はまた誤解させるようなことを………!!
上原の乗るバイクの音が完全に聞こえなくなり、2人の間に沈黙が流れる。
ちらっと須藤くんを見れば、彼も私を見て笑顔をみせた。
「海斗と上手くいったみたいだね。」
………ほら、やっぱり。
「うん、まあ……そうなのかな?」
でも間違いではないから一応肯定する。
「なら、良かった。」
須藤くんは安心したように笑った。
きっと心配してくれていたのだろう。
「………それで、俺に話ってなに?」
笑顔を崩さず、そう言った須藤くん。
………なんて、言おう。
須藤くんになにから話せばいい?
でも今は言葉にするよりも、なんとなく行動に移した方が早いと思ったから……
私は須藤くんに抱きついた。