さっきまで泣いていたはずの美月さんは上原を見た。
「………結局、今回も海斗たちの勝ちか。」
そう言って、うずくまってた美月さんは立ち上がる。
「でも、私謝らないから。」
上原を見る美月さんはやっぱり鋭い目つきだったけど、さっきよりも柔らかく見えた。
「………美月。」
上原が、美月さんの名前を呼んだ。
その声はどこか寂しげで。
「あの時のことは悪かった。
俺は美月から、大事なものを奪っただろ?」
そう話す上原は、まるで全部知っているかのようで………
「謝らないでよ、海斗も。
あんたってそんな人間だったっけ?」
そんな上原を見て、少し驚いている美月さん。
「そこにいる女が、俺の考え方変えたんだよ。」
明らかに、それは私を指していた。
私が上原の考え方を変えた?
何かしてあげた覚えはない。
だから、上原自身が変わったんだよ。
「へぇ、そう。
確かにこの子見てるとイライラする。」
「なっ……!」
なんかさっきと人が変わったような気がする。
これが本当の美月さんなの?
「逃げてる自分を指摘されて、丸分かりな自分に腹がたつよね。」
そして美月さんは………
私を見て、笑ったんだ。
どこか吹っ切れたようなその笑顔は、素敵だった。



