暗闇の中。
ゆっくりと目を開けると、そこもまた薄暗い場所で
頭がぼーっとする。
状況がうまく理解できない。
あれ、なんで私こんな所に………
「やっと起きたね。」
その時、近くで女の子の声が聞こえてきた。
この声知ってる。
ふと顔を上げれば、そこには………
「………っ。」
上原の元カノである、美月さんがいて。
頭が痛む。
その中で、思い出した。
あの後、静かで店員しかいない小さなカフェに入って美月さんの話を聞いて。
優斗さんが、上原は騙されたと言っていた意味がわかったんだ。
全部、全部。
美月さんが上原を利用して。
それがわかって、許せないと思って
声を出そうとしたら突然睡魔が襲ってきて………
そのまま眠ってしまい、今目が覚めた。
ここはどこ?
古びた建物、というより廃墟のような場所だった。