人気者の上原はいつも不機嫌





だけど俺は全然痛くなくて。
ふと、背中に重みを感じた。



ゆっくりとその重みを確かめようとしたら………



『………っ、優斗さん!!』



俺を庇った優斗さんの頭から、大量の血が流れていた。


『……バカ、よそ見するな。
俺は、いいから………早く行け。


このままじゃ……全員、終わるぞ……!』


血は止まらないのに、痛いはずなのに
鋭い目つきで俺を睨んできて。



これも俺が招いたことで………



『………海斗!
お前、ぼーっとする暇があったら立てよ!


全員倒してからじゃないと優斗さん助けれないだろ!!』



また、動けない俺に襲いかかってきた男を今度は慎也が殴って助けられた。


その時に初めて見た、慎也が声を荒げる姿。


唯一、俺でいられる場所。
それが今、俺のせいでなくなろうとしている。


慎也は動いていて


なのに俺は、こうして立ち止まっていて………



顔を上げればバイクにもたれて美月と喋っている、総長らしき人物が目に入った。


その瞬間、まるで初めて優斗さんと会った日のように何かが切れた気がして………



そこからは、記憶がなかった。



ただ我を失い、手や足、身体だけを動かしていた。