『海斗、もしかして……』
さすがの優斗さんも驚いたらしく、俺の方を見た。
その瞬間
甲高い笑い声が闇の中で響く。
『あははっ!
その、反応なに!
見事に騙されてくれてありがとう!
海斗のおかげで、全部うまくいったよ!』
あはは、とまだ笑う美月。
それは敵全員の笑い声に変わっていった。
美月と二人乗りしていた相手は総長だろうか。
余裕の笑みを俺に浮かべてきた。
普通は、ここで嫉妬とか
なにかしら感情を抱くのが普通なのかもしれないけど
驚くぐらい落ち着いていて、同時に仲間を傷つけて許せないという思いが強かった。
『じゃあ、この後も早くやられてよね。
海斗って本当、落とすのに手こずったんだからここで素直にやられてくれないと困るから。』
………どうやら、俺が負けると思っているらしい。
だけど負けるつもりなんかなくて………
そこから始まった喧嘩。
もちろん最初は人数的に不利だったし、苦しい状況で闘っていた。
何より相手の多くが武器であろう鉄の棒を持っておりそれにやられる仲間は多かった。
どんどん倒れていく、仲間。
血を流し、呻き声をあげる。
………どうしてこうなった。
なにがいけなかった。
それは、全部
俺がきっかけを作って………
『海斗!!』
その、優斗さんの叫び声にハッとした。
だけど、その時には遅かった。
気づけば1人の男が後ろから俺を棒で殴ろうとしていて………
鈍い、音が響いた。
悪い意味の音。



