「お前ら、いつでも動けるよう準備しておけ。
この場にいねぇやつも、呼べ。
緊急事態だと。」
俺がそう言えば、仲間はすぐに動いた。
それが本当に信用できるし、心強い。
それからしばらくして慎也はやってきた。
どうやらいなかったらしい。
その表情はやっぱり焦っていて。
仲間がそんな慎也を見て驚きつつ、どれほど緊急事態なのか伝わり緊張感が漂っていた。
………もう、今度こそ誰も傷つけたくねぇ。
仲間が傷つくのは、
俺のせいで傷つくのは
もう見たくない。
それからまたしばらく経ったところで俺のスマホが鳴る。
その電話の相手は、小野田だったのだけど……
『もしもし、海斗?
ねぇ、喧嘩しよっか。
もちろんお互い全力で。
ただ………
あんまり遅すぎると、真菜さんの目が覚め次第、どうなるか知らないから。
早く全員倒すことね。
その頃にはもう真菜さんは襲われた後かもしれないけど。』
くすくすと、悪魔のように笑い
場所を伝えられたところで電話を切られた。
小野田が、襲われる………?
何も関係のない、何も知らない綺麗な小野田が
そうなってしまうのなんて
あってはならない。
急いで仲間に場所を伝え、俺と慎也が誰よりも早くバイクに乗り、指定された場所へと向かった。