「………自己紹介、まだだったね。
私、海斗の元カノの美月です。
真菜さんのことは知ってます。
それで………海斗とのこと、話してもいいかな?」
元カノ。
やっぱりこの子は昔の上原を知っている。
状況があまり理解できてなかったけど、これを逃したらいつまでも上原のことを知れない気がしたのは確かだった。
……その時、スマホが振動した。
見ると、上原から。
もしかして、聞いてほしくないのだろうか。
「………私が、聞いてもいいのかな。」
そのスマホの画面を覗きながらつぶやくと、美月さんがそのスマホ画面を手で覆い、私に笑顔を向けた。
「海斗にとって、真菜さんは大事な存在なの。
………だからこそ、聞いてほしいと思ってる。」
その、言葉で。
私は決めた。
ごめんね、上原。
許可なく聞くことを許してください。
でも美月さんも話すって言ってたからいいよね。
私は一度、頷くと美月さんは安心したように笑う。
「良かった……。
じゃあ、少し移動していい?
どこかお店でも行って話そうか?」
そう言った美月さんの後ろをついていく。
そして、私はこの後
美月さんから上原の話を聞くことになる……。