人気者の上原はいつも不機嫌





学校を出て駅に向かう途中に上原に、電話をかける。


だけど1回目は出なかった。


悩みもせずもう一度、私は上原に電話をかけてみた。


少しの間、コール音が鳴り響いた後………




その音が消え、上原が電話に出てくれたのだと確信し、声を聞く前に私は話し出した。




「もしもし、上原!?」




だけど、返答なし。


あれ、間違ってるのかなって思っていたら………



『うるせぇな。
急に叫ぶな、耳が痛い。』



と、少し不機嫌な声が聞こえてきた。


「ご、ごめん……!」
『………で?どうしたんだ?』


だけどすぐ、用件を聞いてくれるところは上原らしいのかもしれない。


「えっとね………」


なんて、言えばいい?
一瞬言葉に詰まった。


だけど………



「今、どこにいるの?」



すぐ上原に返す。


『どこって、仲間のとこ。』
「じゃあ今から抜けれる?」


『抜けれるって、いきなりどうした………』
「会いたい。」


『………は?』
「上原に、会って話したい。」


須藤くんや夏帆に気づかされて
ここで何もしないわけにはいかない。


気づいたからには、前に進みたいから………



『………わかった。
お前、今どこにいる?』



意外にも上原は話の内容に関して何も聞かず、場所を聞いてきた。


だからすぐ、学校から駅に向かってると、言おうとしたその時………


「………え?」


突然スマホがするりと手から抜ける感覚がした。


………というか、誰かにとられたのだ。