「上原!」


教室に入るなり、私の前の席である上原の元へと行く。


すると上原は明るい笑顔を浮かべ私と夏帆を見た。


その笑顔を初めて見た多くの人たちは、きっと上原にやられるだろう。


何故なら上原は………


誰もが認めるイケメンだったから。


少したれ目で大きめの目は、いつも眠そうに少しだけ閉じられ、ちゃんと目を開けているところをあまり見たことがない。


せっかくの綺麗な二重の線がもったいない。


だけど、それでもイケメンなのがわかるのが腹立たしい。


そして顔は女子も羨むぐらい小さいし、鼻筋も透き通っているし鼻は高いし、とにかく顔だけは全てが完璧なのだ。


そう、顔だけは………。


「聞いてくれよー、俺最下位だった!」


どこか嬉しそうにも聞こえる声に私の怒りはさらに増えるばかり。