「……どう、だろうな。
一度犯した罪は簡単には消えないから。」
須藤くんのお父さんの目は揺らいでいた。
「その日の行動に後悔、したなら。
ちゃんと、話すべきだと思います。」
前に、進むために…………。
前に進む。
その言葉はどこか引っかかるものがあって。
それは何に対してなのかはわからないし、わかりそうにない。
「……君は、真っ直ぐな人なんだな。
慎也が惚れるのもわかる。」
「いえ……そんなことはないです。
私ばっか、助けられてます。」
須藤くんのお父さんがどう捉えたかはわからなかったけど
少し笑っているようにみえて安心した。
「本当は自分自身でこういう決断しないといけないのにな。
いつまでたっても俺はだらしない。」
そうつぶやいた須藤くんのお父さんは、お母さんが映る遺影の方に視線を向けた。
その眼差しは優しくて、愛しそうで
どれだけ大きな存在だったのか。
それを見ただけでわかった。
自分の愛する人が亡くなった。
その時、どんな気持ちだっただろう。
どれほど悲しんだだろう。
想像なんてできるわけない。



