人気者の上原はいつも不機嫌





その後少し歩き、前に来た須藤くんの家に着いた。


中に入ってリビングに案内され、飲み物を出してくれた。


その後お互い向き合って座るけど、なんだか落ち着かない。



「………ありがとう。」



その時突然、須藤くんのお父さんにお礼を言われて頭を下げられる。


な、なんでお礼なんか……!


「わ、私は何も………!」
「いや、君には本当に感謝しかない。」


ふと、須藤くんのお父さんが顔を上げる。


ひどく切なげなその表情が
見ているこっちまで苦しくなる。



「慎也には本当に許されないことをしてしまったんだ。


そのせいで俺は、あんな純粋だった心を傷つけてしまった。」



許されない、こと。


確かに私だってひどいと思ったし、簡単に許されることじゃない。


でも、それでも………



「このままで、いいんですか?
………偉そうなこと言ってすいません。


だけど、須藤くんは今も優しい人なんです。
何度も私は助けられました。


昔のお父さんとお母さんの思い出が、須藤くんを優しくさせてるんです。」



これは、紛れも無い事実だから。



「………君は慎也から聞いただろう?
俺がどれだけ酷いことをしたか。


大事な息子を、信じてやらなかったんだ。」



「そうだとしてもこのままじゃ良くないです。


話すことによって、何か変わることはないんですか……?


須藤くんなら、きっとわかってくれます。」



そうだよ。
こんな形で終わるなんて、私だったら絶対いやだ。


だからって私が、須藤くんや彼のお父さんの気持ちを全部わかるわけじゃない。


私の想像以上のものだと思う。