人気者の上原はいつも不機嫌




ーー夏帆と降りた駅は、一度だけ降りたことのあるところだった。



何故ならそこは………



須藤くんの最寄りの駅だったから。
一回だけ来たことある。


たまたまだよね、なんて思いながら夏帆の後ろをついて行く。


「ここ、初めて?」


もう夏帆はいつも通りに見えて、私は素直に一度だけきたことあると答えた。


「須藤くんの最寄りなの。」


「え?そーなの?
それは知らなかったな。」


夏帆はそれを聞いて驚いていて。


「前に雑誌で紹介されてたお店があってさ、スイーツの隠れ名店!ってやつ。


真菜と行ってみたかったんだぁ。」


「そーなの……!?
スイーツは惹かれるなぁ。」


嬉しそうに笑えば夏帆もつられて笑った。


そして、2人でその店に向かって歩いていると………




「………あ。」
「真菜?どうしたの?」



こちらに向かって歩いてくる人を見て、つい立ち止まってしまう私。


だってその人は………



須藤くんの家を出るときに見た、男の人。
須藤くんのお父さんだった。


向こうも私を見て驚いた顔をし、立ち止まった。


「………君は…」


私のことを覚えているみたいだったから、私は軽く会釈する。


「この間はお邪魔しました。」


顔を上げて須藤くんのお父さんをもう一度見てから通り過ぎようとすると………



「……待って。」



と呼び止められた。