須藤くんに放課後一緒に帰れないって言おうと思えば、女子に話しかけられていた。
ちゃーんと笑顔で対応してるし。
さすが須藤くんだなぁって思ったり、思わなかったり。
結局須藤くんに言うのは放課後になってしまった。
「今日ね、夏帆と遊ぶから一緒に帰れないの。」
「そっか、わかった。
何かあったらすぐ連絡してね?」
………そうやって、気にかけてくれるのは須藤くんらしいな。
「でも、大丈夫なの?」
「大丈夫って……何が?」
「三嶋さんと、2人で。」
夏帆と2人、どういう意味だろう……。
不思議に思いながらも笑顔で大丈夫と答えた。
須藤くんに言えたところで私は夏帆と一緒に駅へと向かう。
「隣が真菜だ。
久しぶりで嬉しいなぁ。」
「冬休みとかお互い忙しくて会えなかったもんね。」
そもそも冬休み中は遊ぶ気になれなかったし。
「……そうだねぇ。」
ふと、夏帆が静かになった気がした。