「今日も海斗くん、呼び出されたって。」
「また?これ、もう何回目?」
……それから1週間が経った。
あの日以来、上原は徐々に表と裏の境目をなくしてきている。
まあバカキャラは健在みたいだけど。
それもあってか、上原への告白が殺到していて夏帆がやきもちを妬いているわけで。
可愛いな、本当に。
上原はあれから毒気が抜け、自然に笑うようになっていた。
前よりもどこか落ち着いている上原に、女子はドキドキしてるよう。
………もう、うまくまとまったかのように見えた。
でも私の気分は晴れない。
その理由はわかりそうにないけど。
「………ねぇ真菜?」
「ん?どうしたの?」
「久しぶりに今日どっか寄らない?
いつも須藤くんが真菜を独り占めするから遊びたかったの!」
突然の誘いに驚いたけど私は行く!と言った。
だって久しぶりだし!
それに、もう洸哉のことは解決したらしいから1人で出歩いても多分大丈夫って言われたし。
それでも須藤くんは送ってくれるのだけど。
やっぱり優しい。