チャイムが鳴り、英語の授業が終わる。


「上原、あとでプリント取りに来い。」
「げっ、嘘だろ本気だったのか?」


「当たり前だ。
お前が解けねぇような難問にしてやるからな。」


そう言って先生は教室を後にする。


そしてクラスで笑いが起こった。



「上原最高ー!」
「海斗ってほんと、バカだよな。」


「あの先生うるさいから寝るなよ。」
「本当面白すぎ!」



上原はこうしてみんなを明るくするのが得意なようで。


内心ではうざいって絶対思ってるだろうけど。



「じゃあ……」


その時、上原が満面の笑みを浮かべ私の方を向いた。


「今日小野田も居残り決定だな。
難問らしいぜ。」


「………は?」


待て待て待て。
話がおかしい。


「なんで私巻き込むの?
関係ないよね?」


「英語の難問、お前も解きたくねぇの?」
「解きたくないわよ!」


今のは寝てたあんたが悪いんだから自分でやってほしい。


わざと間違いだらけにすればいいじゃない。