その後も少し2人は話していた。
ギクシャクしたような感じは一切なく、見ている私が泣きたくなるほど。
………優斗さん、誠さん。
やっぱり2人の言う通りだった。
須藤くんと、上原は
簡単に壊れるような仲じゃなかったと………。
「じゃあ俺帰るから。」
少しして、上原が立ち上がる。
その時、ふと私を見た。
あの日以来、合うことがなかった視線。
「………あの時は悪かったな。」
上原は私にそう言って謝り、背中を向けてバイクのある場所へと歩いていく。
そんな上原に、私は………
「………上原!
助けてくれて、ありがとう……!」
そう声をかけた。
そしたら上原は振り向き、ふっと笑った。
それを最後に、上原の姿は見えなくなった。
本当は、
“仲間”って言ってくれて嬉しかったと
その気持ちを伝えたかったけど、それで本当にいいのかと思い、私は言うことを止まった。
少しの沈黙が流れたあと、須藤くんが静かに口を開いた。