ーー「おい、血はもう止まったか?」


上原が、呆れながら私に聞いた。


「うん、止まった。
ていうかそんなに傷深くなかったし。」


「………でも、痕残るよ?


小野田さんがここまでバカだとは思わなかったね……」


さらには須藤くんまで呆れたように話し、バカと言われてしまう始末。




………あれから、2人が助けてくれ私は無事だった。




少し場所を移動し、上原たちの仲間はもう帰っていって私たち3人しかいない。


「ご、ごめんなさい………。
でも本当に大丈夫だから。」


私は笑うけど、やっぱり2人はため息をついて呆れていて。


「………ま、いいや。
もうそんな無茶すんなよ?


小野田もだけど、慎也もな。」


上原は呆れ顔のまま須藤くんを見る。


そんな上原に対し、須藤くんは困ったように笑う。



「………海斗、ありがとう。
俺1人じゃ小野田さん助けてられなかった気がする。」


「……本当に感謝してんなら、また戻ってこい。やっぱり慎也が必要だから。」



2人が喧嘩していたのがまるで嘘のように、いつもの雰囲気が漂っていた。


やっぱり2人は仲がいい。