「それはいま関係ねぇだろ。」
上原がそんな須藤くんの胸ぐらを掴む。
2人がそうやって喧嘩腰になるのは初めて見て、だから余計に怖かった。
「そんなに簡単に抜けるって言えるほどの存在だったのか?
優斗さんと誠さんの想いを引き継ぐっていうのはもう忘れたのかよ……!」
珍しく声を荒げる上原が
どれだけ大切なものを話しているのかが伝わってくる。
「俺だって簡単に言えることじゃないことぐらいわかってる。
ただ、俺の中で優先順位が変わっただけだから。」
須藤くんは胸ぐらを掴む上原の手を払おうとせず、ただ静かにそう言い放つ。
「………ふざけんなよ、お前。」
上原は胸ぐらを掴んでいた手を離し、軽く須藤くんを押す。
お前と言った。
上原が、須藤くんのことを………。
そのまま私や須藤くんを見ずに通り過ぎ、上原は教室から出て行った。
さっきまでのことが全部、嘘かのように途端に静かになる教室。



