人気者の上原はいつも不機嫌





「でも、良かった。
夏帆の気持ちに応えてくれて。」


いつか本当に、お互いのことを好きになる日が来ると思うから。


それとももう上原は夏帆に惚れたのかな、なんて。



「………それ、本心?」



不意に上原が変わらず低く冷たい声で聞いてきた。


「本心だけど、それが何……?」


冗談で言えるほど私の心は強くない。


「……あっそ。
なあ、もう終わった?」


はぁ!?
自分から聞いてきたくせに何その興味なさそうな感じは!


もう呆れて何も言えない。


上原は相変わらず不機嫌そうに私が丸つけしているプリントを指差してくる。


「もう少し待ってね!
すぐ終わらせますから!」


少し口調をきつくして返し、私はプリントに視線を戻す。


簡単な問題はだいたい合ってるし
難しい問題は途中で間違ったり


先生から渡された答えと照らし合わせながら丸付けを進める。


その時、やっぱり髪が邪魔になって


授業中は周りにバレないように神経尖らしていたから大丈夫だったけど


今は上原しかいないからって、明らかに油断していた。


というかほぼ無意識的に、私は邪魔だと思った髪の毛を後ろにやってしまっていたんだ………。