家の外に出て、お母さんは須藤くんに手を振る。


だから何歳だってば。


須藤くんは笑顔で会釈し、お母さんはきゃー!って言ってドアを閉めた。


心の中でため息をつきながら、須藤くんを見る。


そしたら土曜日のことが思い出されて
それだけで顔があつくなってしまう。


だめだ、だめ。


なんで最後の方を思い出してしまうんだ私……!



あの日は須藤くんの話を聞けたんだ。
そんな須藤くんに私ができることは……



「おはよう、小野田さん。」



いつも通り、優しく微笑む須藤くん。


私だけが乱れてて、恥ずかしくて
結局思い出して顔があつくなる。


「どうしたの?顔赤いけど……」


と聞いてくる須藤くんは絶対わかって言ってる。
確信犯だ。


「べ、別に……!
ほら、行こう!」


須藤くんの一歩前を歩く。


須藤くんはきっとわかってるのだろう。
何も言わなかった。


それも余裕が感じられて嫌なんだけども……!