人気者の上原はいつも不機嫌




「………この子が上原のものなんて、もったいない……!」


いや、でも手を出すのが遅いならそれはそれで好都合か。


もしこんな純粋な夏帆がキスなんかしたら……


倒れそうな気もする。


「もし上原に何か嫌なことされたらいつでも言ってね!


私が上原を叩きにいくから!」


「ぼ、暴力は良くないよ……?」


それでもこんな大切な親友を傷つけたら許せないんだから!


「大丈夫!ちょっと痛めつけるだけだって。」


「そ、そこまで本気にならなくていいよ?


本当に大切にしてくれてるから………ヘタレなだけかもしれないけど。」


まさか夏帆の口からヘタレと言う言葉が出るとは思っておらず、笑ってしまう私。


「そうだよね………ヘタレだもんね。」


「うん、そうだよ。
心配してくれてありがとう。


本当、真菜には感謝しかないなー。」


感謝?
感謝されるようなことをした覚えはない。