「慎也くん、と言ったな。」
「はい、そうです。」


お父さんの明らかに不機嫌なオーラを前にしても、怯まないし堂々としている。


「君、明日家に来なさい。
ぜひ話をしたいと思ってな。」


………ほら、やっぱり。


お父さんのことだからその話だろうと思ってたよ!


「いいんですか?
嬉しいです、ぜひ行かせてもらいますね。」


顔を綻ばせ、本当に嬉しそうに笑ってるけど多分演技。


だから私は心の中で何度も須藤くんに謝る。


あとで連絡入れとこう。
謝罪の文を打って送らないと。



その後少しだけお父さんと須藤くんは話し、帰っていった。



家の中に入り、私はお父さんに言った。


「あんなこと言って、須藤くんに迷惑だとか思わないの!?」


「いいんだ!
明日は俺たちにとっても大事な日になる。」


「はぁ?意味わかんないよ!」


「こうなったらとことん慎也くんの悪い部分を出してやる。


お母さん、明日のご飯は魚とか食べるときにマナーの応用がいる料理をだそう。」


………こ、この人は……!


そんなこと調べて何になるの!?


だけどまぁ、須藤くんのことだからそういうのも簡単にこなしてしまいそうな気もするけど………



やっぱり心の中で謝り、私は明日になるのが少しだけ憂鬱だった。