そしてただいま金曜日の放課後。
須藤くんと歩く帰り道。
私の最寄りの駅から家へと向かっているんだけど………
「小野田さん?
険しい顔してるけど何かあった?」
少し心配そうに聞く須藤くんに対し、慌てて笑顔を作る私。
顔に出てたのか………!
実は訳がありまして、それは昨日の夜のこと。
『真菜、明日慎也くん土曜日家に来ないかって誘ってほしいの。』
『は?』
いきなりお母さんにそんなことを言われ、驚かないはずがなかった。
そしたらお父さんも
『そうだ!俺が真菜にふさわしいか見定めてやる!』
と言ってきたのだ。
意味が、わからない。
だけどここで誘わないと両親が面倒くさいことになる。
だからといって須藤くんに迷惑をかけるのもよくない。
うー……、なんであんなこと言うかな!
別に見定めなくても須藤くんは私にはもったいないくらい完璧だっての!
それにもちろん、恋人らしいことはしていない。
3ヶ月前の須藤くんの家に行ったあの日。
抱きしめられたり手をつながれたりしたのが最後だった。