私は考えるのをやめようとした時
昨日のあの、冷たい表情の上原を思い出した。
そうだ。
一度夏帆に聞いてみよう。
「ねぇ、夏帆。」
「どうしたの?」
「上原って夏帆と2人きりの時、どういう感じなの?」
私が聞くと夏帆は咳をしてむせ出した。
「げほっ………い、いきなりどうしたの?」
「ご、ごめん……夏帆の前でもあんな感じなのか気になって……」
まだ少し咳をしている夏帆を見て、不意打ちで聞いて悪いことしたなって思った。
「そんなの、いつもと同じだよ。
ちょっと抜けてて、正直男らしくはないけど………
明るくて元気で、私を笑顔にしてくれる。」
夏帆は幸せそうに笑ったから、安心した私。
やっぱり昨日のはたまたまだよね……。
まさか夏帆の前では狼のように化けるとか、そんなことヘタレの上原ならありえないよね。



