「小野田さんといると知らない感情が湧いてくるし、こんな考え方もあるんだって思えたり。
小野田さんの真っ直ぐさが、俺の考え方を変えてくれたんだよね。
だからといって、今までしたことが許されることではないけど。」
そう言って、須藤くんは小さく笑ったような気がした。
「変わろうって、思えるだけでもすごいと思うよ。」
今までの考え方を変えるのは本当に難しいことだと思う。
「小野田さんが思わせてくれたんだよ。」
だけど須藤くんはそれを私のおかげと言う。
結局は自分次第だというのに。
その時、須藤くんが少しだけ抱きしめる力を強くした気がした。
「………もう少し、このままでいい?」
耳元で低く囁かれ、ドキドキと心臓がうるさくなる。
そんな聞き方で、こんな状況で
断れるわけないし今更拒否するなんてどうなのか。
なんてこれは単なる言い訳に過ぎないのだけど………
それでも忘れられると思えた。
心が揺れ動くような感覚に陥る。
そんな自分の中途半端さに嫌気がさしたから、自分から抱きしめ返すことはしなかったしできなかったけど
ただしばらくの間、
須藤くんに身を任せていた。



