返答に困ってしまう。
だってそれって、須藤くんに好きな人がいるってことだよね?
それも、自分が本気になった相手。
都合のいい、そして利用………。
一瞬思い浮かんだ考えで胸がドキッとしたけれど、そんなはずはないとかき消す。
「小野田さん。」
彼が、私の名前を呼ぶ。
どこか色っぽく感じるのは、きっと2人きりの空間にいるから。
鼓動が少し、速くなる。
「こんな俺を最低だとか、気持ち悪いとか思ったりしないの?」
「……しないよ。
さっきも言ったけど今の須藤くんは昔とは違う。
それに私の知ってる須藤くんは優しくて、気配りもできて、真面目な人だし
私が苦しい時、そばにいてくれて
そんな人を最低だなんて、気持ち悪いなんて思わない。」
それは、上原に対しても同じ。
最初は最低だと思ってた。
だけど本当は優しくて、一生懸命。
だから2人とも、他の人よりも多く抱えてるものが大きいだけなんだ。
「……俺をそうさせてくれたのは、小野田さんだよ。」
そんな私に対し、須藤くんはそう答える。
須藤くんが変われたのは、私ってこと?
何かした覚えはない。



